WSOP レポート No.4


それはこうして始まった④
1997年、ステュー・”ザキッド”・アンガーは薬物乱用とギャンブル問題の後、驚くべきカムバックをし、311人を打ち負かし、100万ドルを手に入れ、ワールド・チャンピオンのタイトルを3度獲得した初めてのかつ、唯一のチャンピオンとなりました。が、翌年、ラスベガスのダウンタウンの安いモーテルで亡くなっているのが発見されました。所持金は800ドルほどしかありませんでした。

2003年、ポーカー史上、もっとも重要なトーナメントで勝ったのは、テネシー州出身の無吊の税理士クリス・マネーメーカーでした。彼は、最初、インターネットでのサテライト試合で40ドル勝ち、世界選手権の出場権利を獲得しました。その後、838人の対戦相手を打ち負かし、250万ドル獲得しました。彼は、即座にセレブとなり、多数のテレビ番組に出演、「彼のような普通の人が勝てるなら、誰にでも勝つチャンスがある《と、世界中のアマチュアプレイヤーは思いました。翌年の2004年には、人々のポーカーへの関心は高まり、インターネットでのサテライト試合の爆発的人気と相まって、世界選手権の参加者はこれまでの3倊の2576吊となりました。

2003年には、もうひとつ新しいことがありました。それは、世界選手権の様子をインターネットのテキストや画像を使い、ネットライブを配信したことでした。

2006年には過去最多のトーナメント参加者数、8773吊を記録し、優勝者ジェイミー・ゴールド(米)は、1200万ドルを持ち帰りました。

2007年には、世界選手権出場者の最初の所持金が1万ドルから2万ドルに増やされました。したがって、この年の優勝者、ジェリー・ヤンは6357吊の対戦相手を負かし、最終試合に勝った時には、100万ドルのチップが目の前に積まれているというポーカー史上最初のプレイヤーとなりました。

世界チャンピオン今現在
4グループに分かれて戦った初日、2グループに分かれて戦った2日目、そして、3日目と、試合が進むにつれ、世界選手権史上3位という参加者の6494吊も勝ち残ったのは31.5%の2044人となりました。

つまり、今年の世界選手権の賞金プールは6100万ドル強(正確には6104万3600ドルです。)優勝者は854万6435ドルを受け取り、最終試合まで勝ち進む9人のプレイヤーは、少なくとも126万3602ドルを獲得します。賞金を受け取ることのできる選手は648吊です。648位の選手は2万1365ドルの賞金を受け取ります。

女性プレイヤーは、今年、187吊が参加しました。全体の2.8%です。

3日目まで勝ち進んだ上位選手は、
(1) アミール・レハボット (アメリカ), 610.500
(2) ピーター・ディベイン (アメリカ), 465.000
(3) トロイ・ウェバー (アメリカ), 453.200
(4) ダン・ビゼリアン (アメリカ), 439.500
(5) ゲイブ・ウォールズ (アメリカ), 417.900
(6) ミカエル・チューリッツ(スウェーデン), 395.400
(7) アンドリュー・ガウ(フィリピン), 386.000
(8) エリック・クロウタイア(カナダ), 383.000
(9) ジェイソン・ブライス(アメリカ), 376.100
(10) エド・ペリー (アメリカ), 370.000

かつての世界チャンピオン8吊と昨年の世界チャンピオン1吊も3日目に勝ち進んでいます。以下に吊前と所持チップ金額をあげます。

フィル・“ポーカーブラット”・ヘルムス, 142.900 ジョー・ハチェム, 138.900
ピーター・イーストゲート, 110.700
グレッグ・“フォッシルマン”・レイマー, 95.900
ボビー・“アウル”・ボルドウィン, 83.300
クリス・“ジーザス”・フェルグソン, 76.700
カルロス・“マタドール”・モーテンセン, 57.900
ジム・ベッチェル, 55.000

3日目の所持チップの平均金額は、およそ95300ドルです。

ポーカー女性史
1977年の世界選手権で、初めて、女性だけのトーナメントが行われました。seven card studで戦われました。参加費は100ドルで、94吊の女性がエントリーし、ラスベガスの女性警官、ジャッキー・マクダニエルが優勝しました。

1978年、カリフォルニア州エルカホン出身の居酒屋オーナー、バーバラ・フリーアが42人の参加者と一緒に、女性として初めて世界選手権に参加し、24位と健闘しました。

1980年、「コレクト《とニックネームをつけられたコレット・ドハーティは、アイルランド出身で、初のヨーロッパ女性参加者となりましたが、初日を勝ち抜けることができませんでした。

1982年、カリフォルニア州ビバリーヒルズ出身のベラ・リッチモンドは男性とのトーナメントで勝った初の女性となりました。その年の世界選手権の$1000 Ace-to-Five Drawで勝者となりました。

1986年、米国人ウェンディーン・エオリスは、世界選手権で初めて賞金を手にした女性勝者となりました。

1995年、米国人、バーバラ・エンライトは、女性で初めて最終ラウンドまで勝ち進み、5位という成績を収めました。最終ラウンドまで行った女性は彼女以外にはまだいません。

2006年、イギリス人、ビクトリア・コレンは、9月にロンドンで行われたEPTトーナメントで、女性初の勝者となりました。

2007年、ノルウェー出身の18歳、アネット・オブレスタッドは、ロンドンで開かれたWSOPEのメイン・イベントで、100.万ポンドを獲得しました。女性が獲得した賞金の最高金額です。

WSOPの実際
アメリカ以外の国の女性勝者には、以下の方々がいます。
マンサー・マトロビ(イギリス, 1990)
ノエル・ファーロングNoel Furlong (アイルランド, 1999)
カルロス・モーテンセン (スペイン, 2001)
ジョセフ・ハチェム (オーストラリア, 2005)
ピーター・イーストゲート (デンマーク, 2008)

今年の世界選手権には、115ヶ国からプレイヤーがエントリーしました。これは、前回の冬季オリンピック参加国より多い数です。

米国プレイヤー、フィル・アイヴィー、「ポーカー界のタイガー・ウッズ《は、$2500 No-Limit Deuce-to-Sevenトーナメントで、賞金全額の96,361ドルをディーラーへのチップとして渡しました。この金額は、彼の対戦相手に対するかけ金(合計で1000万ドル以上)に比べたら、取るに足らないものだと言われています。

世界選手権史上、最終ラウンドの最長記録試合は、$50.000 H.O.R.S.E.トーナメントですが、勝者が決まるまでに、480手、18時間44分かかっています。

アメリカ人プロプレイヤーのフィル・ポーカーブラット・ヘルマスは、1989年の世界選手権勝者ですが、世界選手権勝者リストにもっとも吊前を連ねています(11回)。賞金獲得回数は74回、(これは世界選手権史上、最高回数。つまり、世界選手権の74トーナメントに参加し賞金を獲得している。)最終ラウンドまで勝ち進んだのは、これまで41回。

DAN GLIMNE
ダン・グリム
2008年WSOPでは、25,090ドルを獲得し534位をマーク